大阪府で老人ホームを開設するなら?新規出店で検討したいエリアTOP5

老人ホームの新規出店を考えるとき、最初に悩むのはやはり「どのエリアで開設するか」ではないでしょうか。
大阪府内は人口も多く、どこでも需要がありそうに見えます。
ただ、実際に見ていくと、市町村ごとにかなり特徴があります。
入居が決まりやすそうなエリア。
土地は出るけれど、競合も多いエリア。
人気はあるけれど、土地価格が高いエリア。
需要はありそうだけれど、行政協議に注意したいエリア。
このあたりを整理しながら、候補地を絞っていく必要があります。
今回は、大阪府や各市町村が公表している高齢者人口、有料老人ホーム一覧などを参考にしながら、大阪府内で老人ホームを新規開設する際に、まず見ておきたいエリアを5つ整理しました。
あくまで公開資料をもとにした目安です。
実際の出店可否は、用途地域、建物計画、行政協議、近隣状況、職員採用、競合施設などによって変わります。
ただ、最初にエリアを考えるうえでの参考にはなると思います。
本記事では、大阪府が公表している市町村別・年齢5歳階級別推計人口と、各市が公表している有料老人ホーム一覧をもとに、65歳以上人口・75歳以上人口・85歳以上人口、既存施設数を整理しています。大阪府の推計人口は、直近の国勢調査結果を基に、住民基本台帳登録者数の増減を加減して算出されています。
施設数については、豊中市、吹田市、堺市、茨木市、枚方市が公表している有料老人ホーム一覧を参照しています。なお、自治体ごとに資料の形式や更新時点が異なるため、比較数値はあくまで公開資料をもとにした目安です。
また、大阪市は老人ホームの新規開設先として人気のあるエリアですが、24区ごとに高齢者人口、地価、既存施設数、医療環境、入居単価が大きく異なります。市全体を一括りにすると実際の出店判断とずれが出やすいため、今回はランキング対象から外しています。大阪市を検討する場合は、区ごとに分けて確認する必要があります。
大阪府内 老人ホーム新規開設おすすめエリアTOP5
今回、総合的に見ると候補に入れたいのは次の5エリアです。
| 順位 | エリア | 見方 |
|---|---|---|
| 1 | 豊中市 | 北摂ブランドと入居者家族からの安心感が強い |
| 2 | 吹田市 | 高齢者人口に対して既存施設割合が低く、医療・交通面も見やすい |
| 3 | 堺市 | 高齢者人口の母数が大きく、南大阪の広域需要を拾いやすい |
| 4 | 茨木市 | 北摂エリアの住宅地評価と出店余地のバランスが良い |
| 5 | 枚方市 | 北河内の中心的エリアで、人口母数が大きい |
高齢者人口と既存施設数の比較
まずは、公開資料をもとに整理した目安です。
| エリア | 65歳以上人口 | 75歳以上人口 | 85歳以上人口 | 65歳以上1,000人あたりの施設数 |
|---|---|---|---|---|
| 豊中市 | 約10.3万人 | 約6.4万人 | 約2.1万人 | 約0.60施設 |
| 吹田市 | 約9.4万人 | 約5.7万人 | 約1.8万人 | 約0.41施設 |
| 堺市 | 約22.7万人 | 約14.3万人 | 約4.2万人 | 約0.78施設 |
| 茨木市 | 約7.1万人 | 約4.3万人 | 約1.3万人 | 約0.67施設 |
| 枚方市 | 約11.4万人 | 約7.0万人 | 約2.0万人 | 約0.85施設 |
豊中市|やはり北摂ブランドは強い!
豊中市は、老人ホームの新規開設候補として、まず見ておきたいエリアです。
理由はシンプルで、入居者家族からの印象が良いからです。
老人ホームは、本人だけで入居を決めるケースばかりではありません。
家族が「この場所なら通いやすい」「このエリアなら安心できる」と感じるかどうかも、入居の決まりやすさに影響します。
その点で、豊中市はかなり見やすいです。
北摂エリアとしての住宅地評価があり、所得層や家族の面会アクセス、医療連携の面でも説明しやすい。
土地価格は高めですが、入居単価や稼働率まで含めて考えると、十分に検討できるエリアだと思います。
豊中市は75歳以上人口が約6.4万人、65歳以上人口1,000人あたりの施設数は約0.60施設です。既存施設は一定数ありますが、北摂エリアとしての人気を考えると、まだ候補に入れたい市です。
ただし、普通の住宅型有料老人ホームをそのまま出すだけでは競合に埋もれやすいです。
医療対応、看護対応、認知症対応、リハビリ対応など、施設の特徴ははっきり出したいところです。
吹田市|データで見てもかなり面白いエリア!
吹田市は、数字で見ても面白いエリアです。
75歳以上人口は約5.7万人。
65歳以上人口1,000人あたりの施設数は約0.41施設です。
今回見た5エリアの中では、高齢者人口に対する既存施設の割合が比較的低めに見えます。
もちろん、この数字だけで出店余地を判断することはできませんが、候補として見ておきたい市です。
吹田市は、江坂、千里、山田、岸辺など、エリアによってかなり性格が違います。
医療機関との連携、訪問診療、看護系サービスとの相性も見やすく、医療対応型・看護対応型の施設とも相性が良いと思います。
吹田市は令和8年4月1日現在の有料老人ホーム一覧を公表しており、市内の施設情報を確認できます。
土地は高くなりがちです。
ただ、吹田市の場合は「土地が高いから難しい」と見るだけでは少しもったいないです。
入居単価、稼働率、家族の面会しやすさ、医療連携まで含めて、総合的に組み立てたいエリアです。
堺市|南大阪で見るなら外しにくい!
堺市は、南大阪で老人ホームの出店を考えるなら、まず見ておきたいエリアです。
何より、高齢者人口の母数が大きいです。
75歳以上人口は約14.3万人。今回の5エリアの中では圧倒的な規模です。
65歳以上人口1,000人あたりの施設数は約0.78施設です。既存施設の割合だけを見ると少なくはありませんが、堺市は市域が広く、区ごとにかなり見方が変わります。
堺区、中区、西区、南区、北区、美原区では、土地の出方も、家族のアクセスも、競合状況も違います。
堺市を評価する理由は、北摂のようなブランド力というより、人口規模と用地の選択肢です。
南大阪で出店を考えるなら、堺市を見ないという選択はしにくいと思います。
一方で、「堺市ならどこでも良い」は危険です。
北区と南区、中区と西区では、かなり性格が違います。
堺市は、市全体で見るだけでなく、区単位、候補地単位で競合を確認したいエリアです。
茨木市|北摂の中でも現実的に見たい候補!
茨木市は、今回あえてTOP5に入れたいエリアです。
豊中市・吹田市ほどの強いブランド感だけで押すというより、北摂エリアとしての住宅地評価と、出店候補地を探す現実感のバランスで見たい市です。
75歳以上人口は約4.3万人。
65歳以上人口1,000人あたりの施設数は約0.67施設です。
既存施設はありますが、大阪方面・京都方面の両方にアクセスを説明しやすく、運営会社としても検討しやすい場面があると思います。
茨木市は、令和8年3月1日現在の有料老人ホーム住所地特例対象施設一覧を公表しています。公開資料上、近年開設の施設や予定施設も確認できるため、競合チェックは必須です。
茨木市で検討するなら、単純な低価格型よりも、住宅地評価を活かした施設や、医療・看護対応を含めた施設の方が相性は良さそうです。
用地の出方次第では、豊中市・吹田市よりも現実的に検討しやすいケースもあると思います。
枚方市|北河内ならまず候補に入る!
枚方市は、北河内で見るなら外しにくいエリアです。
75歳以上人口は約7.0万人。
人口母数はかなり大きいです。
一方で、65歳以上人口1,000人あたりの施設数は約0.85施設で、今回の5エリアの中ではやや高めです。
つまり、枚方市は「需要はあるが、既存供給も多いエリア」と見た方がよいと思います。
それでもTOP5に入れる理由は、北河内の中での人口規模と、大阪・京都方面からのアクセスです。
枚方市は市全体として市場が大きく、エリアを細かく選べば検討余地があります。
ただし、市全体で見るのではなく、候補地ごとの精査が大事です。
駅距離、バス便、坂道、近隣施設の価格帯、医療機関との距離。
このあたりで評価は大きく変わります。
枚方市で出店を検討する場合は、競合の数だけでなく、既存施設の価格帯や開設時期まで見ておきたいエリアです。
東大阪市を外した理由
東大阪市は、大阪市に隣接しており、人口規模も大きい市です。
需要面だけで見れば、本来は候補に入ってきます。
ただ、今回はTOP5から外しました。
理由は、実務上、行政協議や基準面で新規出店の難易度が高くなる可能性があるためです。
老人ホームの出店は、需要があるかどうかだけでは決まりません。
土地が見つかるか、建築計画が組めるか、行政協議が進むか、近隣対応がどうか。
このあたりまで含めて見る必要があります。
東大阪市を検討する場合は、早い段階で事前相談を行い、用途地域、建物計画、開設基準、近隣状況を確認した方が良いと思います。
まとめ|大阪府内で老人ホームを開設するなら、人口だけでは決めない!
今回、まず見ておきたいエリアとして整理したのは、次の5つです。
- 豊中市
- 吹田市
- 堺市
- 茨木市
- 枚方市
どのエリアにも良さがあります。
豊中市・吹田市は、北摂エリアとしての入居人気や家族の安心感が強い。
堺市は、人口母数と用地の選択肢で見やすい。
茨木市は、北摂の中でも現実的に検討しやすい候補。
枚方市は、北河内で人口規模を取りにいくなら外しにくい。
ただし、最終的には市単位のランキングだけでは判断できません。
同じ市内でも、道路付け、周辺競合、医療連携、行政協議、土地形状、賃料条件によって、事業性は大きく変わります。
株式会社マナートでは、大阪府内・関西エリアで老人ホーム運営会社様向けの土地情報のご提案、地主様との調整、出店候補地の整理を行っています。
大阪府内で老人ホームの新規開設をご検討の運営会社様は、候補地探しの段階からお気軽にご相談ください。

